高原のテラスで十二ヶ月(粗忽庵日記)

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help RSS The devil finds work for idle hands.  忙中閑あり。(7)

<<   作成日時 : 2011/10/29 09:21   >>

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画像朝露というものがどういうものなのか、初めて見たような気がいたします。小さな花を撮影しようとして、地面に這っている葉っぱに雫とはいえないような水滴が付いておりまして、これは何だろう、という感覚なのであります。古典の和歌の世界では「露」などというものは、ありふれたものでありまして、それを初めて見ている気がいたしました。

自分の脳内を探索します。「露」のイメージは?

そうですねえ、自分の問いに自分で答えるのも変でありますが、考えてみると、サトイモの葉っぱというのがありまして、あれに水がたまるんですね。それがころころと葉っぱの表面を転がりまして、畑にサトイモがあると通るときに茎が揺れますから、葉っぱから水が垂れるんであります。そんな感じで把握しているんであります。そう考えると、小さな葉っぱの上にじっとりと浮いているこの水分はなんだろうかということになりまして、ああこれが「露」であったか、というようなお粗末な認識なんでありますね。ようやく分かりました。野を分けて歩く、というようなことをずいぶんしたことがなかったのであります。

    写真の小さな花の名前はすぐに分かりました。「ウリクサ」という植物なのであります。
     http://www.hose1.jp/sub7/2002/sub7-4.html「秋に咲く野の花」ですばらしいサイトに到着。

画像実が瓜に瓜二つだから「ウリクサ」なのだそうでありますが、この植物の大きさからすると、5o程度の実でありまして、さて観察し続けたら見ることができるのでありましょうか。わくわく致しますね。わくわくしますね、とキーボードに打ち込んでいる自分の顔が、朝日が充満しているためにディスプレーに映るんですが、これがちっともわくわくしているように見えません。眉間に皺が寄っておりまして、内面と外面の落差の大きいこと、大きいこと。

本日のクレオメでありますが、冷えても元気な花です。

昨日の最低気温が6・7度でありまして、今朝は午前6時頃が8・8度であります。30年平均の最低気温が10度くらいだそうですから、まあちょっと冷え込んでいるという感じでありましょう。こたつがちょうど良くて、ストーブを焚くほどではありませんが、先週は灯油の販売車も回ってきまして、ご挨拶に余念がありませんでした。18リットルで1500円を超えるようですから、灯油の価格は高止まりしてしまったようであります。もう暖房が必要なほどなのに、クレオメは元気でありまして、新しい花の芽が育っておりまして、夏から冬へ、30度もの気温差の中を咲き続けていることになりますね。

     目の前の本棚に、北杜夫さんの『壮年茂吉』(岩波現代文庫)がありました。

画像これは、北杜夫さんがお父さんの斎藤茂吉の伝記を書いたものですが、内容に興味があって買ったものなのであります。斎藤茂吉は精神科医で歌人でもありますが、この方は青山脳病院という病院の院長でもあったわけです。その青山脳病院が焼失して、世田谷区松原に新病院を建設した頃の茂吉を、北杜夫さんが描いているのであります。松原というのは、今は小田急線で行くのが近いのですが、渋谷からバスで行ってもたいした距離ではないところであります。

戦後に都立梅ヶ丘病院になりました。

おそらく、日本である時期唯一の、発達障害を扱う小児専門病院だったわけです。現在は統合されまして、府中のほうへ移転したはずですから、現在どうなっているのか分かりませんけれども、中央に小さいけれどもトラックを備えたグラウンドがあったのであります。北杜夫さんは、自転車などに乗って、この青山脳病院の新館に行った思い出などを、この本以外のエッセイなどにも書いていたように思うのであります。近くには羽根木公園という梅の咲く公園などもありまして、梅を見に行ったこともありました。思い出がいろいろあるあたりでありますが、それはそれとして、北杜夫さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

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