Seventeen-syllable verse . 五月雨を あつめて早し 最上川(芭蕉)(3)

画像本日、ようやく開花しましたガーリックチャイブの白い花を御覧いただいております。調べていると奇妙な事が分かりまして、どうやらこれはニラ(韮)のことなのであります。ただそれが確かめにくいのは、「ニラ」という言葉があまりに日本人の言葉として定着していて、ニラを調べてもほとんど別名が出て来ないのであります。レバニラ炒め、あるいはニラ玉汁とくれば、中華料理とは言い難い、家庭の味でもありまして、定食屋の看板メニューかも知れません。

ウィキペディアの学名の下、英名にGarlic chives。

だからこれで検索すると、Garlic chivesに関していろんなサイトが立ち現れますが、英語版のウィキペディアでは、このGarlic chivesを何気なく「ニラ」と表示するではありませんか。そうそう、それなら我が家にも去年咲いておりましたよ。春たけなわにグラジオラスが咲いた所と同じ軒下に、夏の終わりにいきなり咲いた白い可憐な花でありまして、どうして紅い花の株から白い花がといぶかしかったのですが、本日確かめてみれば、そこにもガーリックチャイブとそっくりな緑の葉っぱと、そして白い花が咲きそうなつぼみであります。

    いくつかの花のつぼみを包んでいる様子が生春巻きみたいであります。ベトナム料理にありましたね。

画像生春巻きのことを、どうやら「ゴイクオン(Goi cuon)」というらしいのでありますが、このブログでは文字の表記がありませんので、便宜的にアルファベットだけを示しました。薄い半透明の春巻きの皮で包むわけですけれども、ガーリックチャイブのつぼみがそっくりでありまして、そこから花束のような花が開きました。ニラを育てる場合は、この花芽の部分を切り取ってしまうそうで、食べるためとはいいながら、何かとてももったいない感じがいたします。

この花の様子は鑑賞に耐えるのではあるまいか。

似たようなものとしては、大根の花とかジャガイモの花がありますが、それらは鑑賞しないだけで、切ってしまったりはいたしません。見たことが無い人がいるだろうと言うことで、似ていると言っているわけですが、考えてみると南瓜やキュウリの花も見たりはいたしませんね。ふっと思い出しましたが、去年はスイカを作ろうとして、苗を買ってきて、花が咲くところまでは行ったのでありました。花が咲いて、蔓が伸びたところで、虫に食われ、猛暑に襲われてあえなく断念したと言いますか、枯れてしまったのでありました。記憶なんて、はかないものであります。

    さみだれを あつめて早し 最上川(芭蕉)
     水みなぎつて 舟ぞあやうき(粗忽)

画像最上川の船下りは、数年前に体験しましたが、船頭さんの語りも面白く、楽しい遊びなのであります。下流からバスが出まして、バスを降りたところから船下りがスタートいたします。船頭さんの歌などを聞きながら川風に吹かれ、途中で休憩のために陸に上がりまして、最後はバスに乗った地点にめでたく到着するのであります。

写真は、フォトライブラリーのフリー素材から。
船下りの舟からの最上川の風景。

カメラマンは「ささきち」さんでありまして、プロフィールには「主に風景・花・動物を撮っています。まだまだ初心者ですがよろしくお願いします。」とありますが、やっぱり発色が違いまして、私が撮影してもなかなかいい色が出て来ないのであります。それにしても、最上川の船下りのあたりは、随分下流でありまして、安定した船旅が楽しめるんですが、あの年は水不足で、船頭さんはもうちょっと水があるといいのにと嘆いておりました。天竜川の転覆事故は本当に気の毒でありまして、本当に稀におきることが生じてしまったという感じであります。芭蕉の句は、実は歌仙を巻いたときのものでありまして、それは連歌を催したときのことでありますが、全36句の始めに詠んだ、いわゆる発句なのであります。連歌や歌仙についてはよく知りませんので、間違っていたらごめんなさいでありますが、舟に乗る前に歌仙を巻いたようでありまして、乗る前の句は実は違いがございます。

    五月雨を 集めて涼し 最上川(芭蕉)
     岸に蛍を つなぐ舟杭(一栄)

とあるのでありまして、二句目のあとの方が「涼し」となっているのであります。あとになって『奥の細道』を執筆した時に、船下りの体験が加わって「早し」になったのではないかと専門家は分析しております。『奥の細道』のなかでは、どうなっているかというと、こんな風に本文があって、発句だけが載せられております。

    ……白糸の滝は青葉のひまひまに落ちて、仙人堂岸に臨みて立つ。水みなぎつて、舟あやうし。
          さみだれを あつめて早し 最上川

私が船下りをしたときには、水不足で白糸の滝が枯れておりました。船頭さんの残念がること。今頃になって、見ることのできなかった不運に、残念な気持ちがこみ上げて参ります。しかし、連歌俳諧の発句から、紀行文の力を借りて俳句が独立して行くんでありますが、ジェットコースターの爽快感を詠んだ松尾芭蕉の俳句は、お茶目な作品なのであります。こうしたものが、すべてわびさびの世界のアイテムであるという誤解は、どこから生じたのでありましょう。土地の人の前で、その土地を誉め、挨拶をいたします。あとで、紀行文を仕立てるときは、ちょっと直して文章と連動させたんですね。枯淡の境地とは違っておりまして、これ一つでもわびさびは否定できるんですが、先入観というのは恐ろしいものでありますね。人はまじめに学校で習って、それでもってしばしばしくじるんであります。おかしなことがあるものです。

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