Down to Xanadu. 桃源の 路地の細さよ 冬ごもり(蕪村)(8)

画像昨日の暖かさとはうって変わって冷たい雨になりまして、そうすると毛糸の帽子であるとか、マフラーや手袋、そしてダウンジャケットが堂々と羽織れまして、そう悪いことでもないのであります。首都圏というのはやせ我慢の人が多いのでありまして、冬になってもコートを着ない、帽子なんてかぶらない、マフラーなどもってのほかというサラリーマンが多いので、毛糸の帽子やダウンジャケットを着た大人は肩身が狭いのであります。

芽吹いたユキヤナギ。今年も咲くでしょう。

晩秋に枯れておりましたので、ちょっと剪定ばさみで伐って置いたんですが、庭師さんが来た時にばっさりと伐り刻んでいたので腰を抜かしましたが、枯れないで生きていたようであります。去年は、早春にほんの一輪ほどが咲きまして、さあ咲くぞと喜んでいたら、どうやら季節を勘違いしたつぼみだったようで、全体が咲いたのはずっと後のことでありました。あんまり敏感すぎてもいけないようでありまして、ほどほどに準備をしてなるべく一斉に咲くのがよさそうであります。この庭のユキヤナギは場所がよくありませんので、伸ばし放題にしてあげられないのであります。のびのびと枝を伸ばして満開になるのが見応えのあるものでありますが、通路であったり縁側であったりいたしますので、剪定の対象になっております。

  桃源郷について考えているつもりですが、少々荷の重いものであります。蕪村の句も分からない気がします。

画像現在思い付く桃源郷ってどこだろうと言うことになりますと、探せばいいところは山ほどあるんでしょうけれども、私の行ったことのある中で思い付くのは大内宿であります。去年は、地震・大津波のあとの原発事故で福島県が存亡の危機に立ったわけでありますが、NHKの朝の新番組であった『あさイチ』が奮闘して、大内宿で生中継を試みたのが非常に良かったと思います。キャスターはV6の井ノ原快彦さんと、元気者の有働由美子さん、そして実は会津出身の解説委員柳沢秀夫さんでありまして、ゲストに福島県ゆかりの方々を迎えましたが、非常にタイムリーでセンスの良さが光ったと思います。あの時のゲストは、登山家の田部井淳子さん、女優の秋吉久美子さん、それからもと巨人軍の野球選手中畑清さんでありまして、中畑家の酪農の現状報告はおそらく原発事故後の報道としては価値があり、その中畑さんが新生横浜の監督として注目を浴びている下地になっていると思うんですがいかがでありましょう。

   大内宿の北の山から、宿場を臨む写真。背中が会津若松の方角。南が日光、そして江戸であります。

フォトライブラリーのフリー素材でありますが、カメラマンはSato_Shigeさんであります。すでにブームになって久しいわけですから、知っていて訪問するわけですけれども、仮に話題になっていなくて、幹線道路からうっかり脇道に入って行ってこの宿場に辿り着いたら、え、何? ここ、何なの? というような感じになるはずなのであります。渓流沿いの道路を行きますと隠れ里のような盆地の集落に行き当たりまして、我と我が目を疑うのではないでしょうか。大内宿は放射能の影響などほとんど無いところでありますから、今後も心配なく暮らせるわけでありますが、放射能のために避難した地域にも、あるいはその周辺地域にも実は桃源郷のような土地はあったのであります。たとえば川内村はいかがでしょうか、あるいは今は田村市になっている旧都路村はどんなものでありましょう。実は桃源郷は日本中至るところにあり、今もひっそりと都会とは違った時間が流れているはずなのであります。

  さて、『中国学芸大事典』(大修館書店)というものを見てみたらびっくりいたしました。あれまあ、なんとも。

画像この辞典は近藤春雄さんが、父上近藤杢さんの『支那学芸大事彙』の補遺続篇を目指したところからできたものなのだそうでありますが、昭和53年(1978)10月20日に発行した物であります。我が家のは平成7年(1995)発行の第九刷でありまして、これを眺めて見ますと、陶淵明の桃源郷に関する漢文・漢詩は「桃花源記」として出ているんでありますが、やはりこの作品はその名称に関して重大な問題をはらんでいるのであります。

どうやら書名が一定していないのであります。

近藤春雄さんが推定している正しい書名は『桃花源詩幷序』なのであります。つまり、本来は漢詩の方が本体であり、説話的な散文は「序」なのだろうと考えているわけですね。ただし、諸本は『桃花源記幷序』とあったり、『桃花源詩幷記』とあったり、さらには『桃花源記幷詩』とあるのだそうであります。「詩」と「序」と「記」が入り乱れて、どれが本体なのか付属なのか分からなくなってしまったと言うことなんでしょうね。やっぱり近藤春雄さんが言う通りでありまして、あとから出て来る漢詩が本体でありまして、その前に序文が付いているということなのでありましょう。

    桃花源の 「序・詩・記(=常識)」乱れて 冬ごもり(粗忽) 深い眠りに 落ちて夢見る(粗忽)

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