Cherry blossoms. 桜茶の 花びらひらく 間のしじま(風天)(9)

画像桜が開花いたしまして、ふとカレンダーを見てみますと、今日は4月1日ではありませんか。確か今日はエイプリルフールと言うことで、いつの頃からか、この日は嘘をついて人をだましてもいいのだと言う日になりまして、しばしば問題を引き起こします。メディア関連の方は、ついついこの日に面白い企画を使って、人を驚かしてみたくなることでありましょう。

近所の桜の木に開花したつぼみがありました。

外の部分はまだまだ固いつぼみでありますが、先駆けて咲いてみたという風情であります。昨日咲いたら、強風でちぎれていたかも知れませんから、ほんとに要領のいいつぼみでありますね。昨日の風の名残で風がまだありますから、撮影するのに苦労いたしましたが、上手くピントが合ったようであります。まあ、多少ぼけていても使ったはずでありまして、私はカメラの使い方については素人でありまして、人生これまでカメラマンを目指したことはほんの1秒たりともないのであります。実は今使っているカメラが人生で初めて自分で買ったカメラでありまして、それまではお下がりだったり、連れ合いのを勝手に自分のもののようにして使っていたわけで、それで構わなかったんですね。返せって言われたら? 素直ですからすぐに返却していたのであります。

   俳優の渥美清さん、俳号風天さんの俳句をタイトルにして楽しんできましたが、そろそろお開きに。

画像この句のいいところは、「しじま」という言葉を最後に据えたところでありまして、この言葉を嫌みなく俳句の中に使うのは実はけっこう難しいのではないでしょうか。耳で聞いたことがあっても、この言葉を漢字でどう書くのかということになったら、誰も答えられないでしょうね。たとえば、テレビでやっている高学歴芸能人による書き取りのクイズだったら、熊本大法学部出身の宮崎美子さんあたりが、首をひねりながらこうかしらとかくような、超難問でありましょう。出たことあるかも知れませんよね。宮崎美子さんの世代で、女子の熊本大法学部は油断できないところがあります。この人は、親が許せば東大くらい受験したかも知れない人でありまして、その方が週刊朝日の表紙になりまして、人生が一変したのであります。あの表紙は、私の知っている人でファイルか下敷きに仕込んで持ち歩いていた人がいまして、いいでしょ、いいでしょ、と見せてくれていたものであります。まあ、誰が見てもシティボーイで格好いい男でありますから、それが宮崎美子さんを持ち歩いてもいいと思ったんですから、要するにめちゃめちゃかわいかったんであります。天が二物を与えた例として、稀有の例でありましたね。だから、渥美清さんも、もうちょっと長生きしたら、俳句のお師匠さんだったんだと思います。この人にも天は二物を与えていたんですが、本人は恥じらい遠慮し秘匿し続けたのであります。古き良き日本人という言い方もあるでしょうが、そんなことは万国共通でありまして、すばらしい俳優さんだったということなのであります。

   「しじま」は「縮・緊(しじ)」と同根と『岩波古語辞典』(大野晋さんなど編)にございます。

画像「縮む」という言葉は、「ちぢむ」でありますが、古代の摩擦音のようなものは揺れますので「しじむ」だったんでしょうね。そこから「口をつぐんでだまっていること」という意味になるのではないかというのが、大野晋さんの見解でありまして、それがいいのか悪いのか、私には分かりませんが、風天さんの俳句を理解するにはぴったりかも知れません。「夜のしじま」という言葉がありますけれども、昼間の人の営みが終わりまして、動物も草木も静まりかえりまして、おしゃべりする人間もいなくなるわけであります。そうすると、「夜のしじま」があたりを支配するわけですけれども、人が口をつぐんで沈黙すると「しじま」が訪れるわけであります。だとすれば、慶事の席で桜茶が供されまして、本日がめでたい日であること、非日常であることが歴然としまして、出された桜茶に見入るわけでありましょう。ああ、ここまで来たのか、来てしまったか、ということでありまして、まともに人生を生きて、いろんなことを我慢に我慢を重ねて辿り着いたささやかな祝い事の席であります。真面目な人、努力する人、頑張った人は、その桜茶を見て、感無量の思いがするわけであります。

桜の塩漬けに湯を差して、お茶のように供します。

一瞬、その場を沈黙が支配するんでありますね。実は、お湯を注いだ瞬間に、桜はもとの姿を取り戻しまして、あっというまに開いてしまうようであります。だから、この俳句はイメージによる所が大きいんでありますが、そのあたりのところを小うるさく詮索するのも野暮というものでありましょう。供された茶碗の蓋を取りまして、ほう、というように一同が茶碗の中の桜に見入るのであります。

   その後には、むしろ談論風発、お互いがうちとけようとおしゃべりは続き、笑いがこだまするでしょう。

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