Without perspective. 寸馬豆人(すんばとうじん)。(5)

画像若葉が街に急に萌えだしたようでありまして、昨日も一昨日も雨模様ですから、私が知らないうちに、どうやら季節は初夏の装いなのであります。あれやこれや、あの人この人、あなたのことでこの胸がいっぱいだったものですから、若葉がいっぱいだなんて分からなかったんであります。何だかこの胸に、素敵な歌詞が浮かびまして、あろうことか力強いマーチふうのリズムまで耳をくすぐりまして、私はすばらしい歌を作詞・作曲できそうであります。

ドウダンツツジの新緑であります。

と言うのをよく考えてみましたら、天地真真理さんが昔歌って大ヒットした『若葉のささやき』という名曲でありまして、歌詞を「うたまっぷ」と言うような歌詞を教えてくれるサイトで確認しましたら、作詞の担当が山上路夫さん、作曲のほうは森田公一さんでありまして、編曲を竜崎孝路さんが担当しているんですが、昭和48年(1973)3月21日発売でありまして、これはこの年にめちゃめちゃヒットしたと思います。レコードを買わないような子供までが、真理ちゃんと一緒に歌っていたわけで、その気になると今でも3000万人くらいが実は歌えるのであります。歌詞カードを渡して、あの前奏を流したなら、年配の方、少なくとも東京オリンピック以前に生まれていた方は正確に歌えるはずでありまして、恐ろしいほどのヒット曲だったはずなんです。

   「♪愛はよろこび それとも涙 誰も知らない ことなのね~」  YouTubeで、ご本人の歌唱も確認できました。

画像天地真理さんの歌唱法というのは、ある意味ママさんコーラスふうでありますが、声が安定していて太いんですけれども、ご本人の表情が柔らかくて愛嬌がありまして、耳に心地よく響いたのであります。裏声をあまり使わないで、正攻法で発声し続けるわけで、それで歌謡曲の味わいがあったんですから、不思議な気がいたします。NHKの歌のお姉さんたちも似たような歌い方ですが、皆さんもう少し声が鋭くて声量が少ないわけで、そういう歌い方をするとたぶんこの『若葉のささやき』という歌は目立たない、何となく片思いの歌になってしまうんでありましょう。

ツツジが日々開花しております。

それを天地真理さんが歌った時には、昔はやった言葉で言えば、ゴージャスな迫力のある歌になりまして、これを例えてみると、町一番の人気者の女の子の、正攻法の大恋愛の歌になるはずです。隣町の御曹司が、スポーツカーで乗り付けてバラの花束かかえてプレゼントするような目覚ましさでありましょう。ご町内の皆さんが振り返って見惚れてしまうようなふたりの幸福ぶりでして、『若葉のささやき』というこの歌は、正々堂々と腕を組んで歩いている女の子のテーマ曲、愛の絶頂の歌に変わるわけです。いいねえ、近ごろの若い人はさわやかだよ、よっ、お二人さん、というような感じでありまして、たとえばフーテンの寅さんが通りすがりにうらやましくなっておおっと振り返って、もう一度見てしまった寅さんのほうが照れまくるような、そういう輝かしい恋愛の歌であります。

   月刊誌の『明星』なんかの女性歌手の人気投票で、たぶん一時期ダントツの人気を誇っていたはずであります。

画像このヒット曲に天地真理さんをプロデュースしていた人たちは気をよくしたんでしょうね、約3ヶ月後の7月1日にテニスラケットを持たせて『恋する夏の日』を歌わせまして、子供心にもそのテニスルックはやりすぎだと思ったんでありますが、私が老成した子供だったんでありましょうか。いや、そんなことは無くて、最初見たときには世間の皆さんだって違和感はあったことでしょう。忘れていませんか?しかし、もう真理ちゃんがすることなら何でもいいやというような雰囲気がありまして、これが爆発的に受けたのであります。

オオキバナカタバミがまだ咲いております。

実は、この時の天地真理さんは21歳か22歳ですから、適齢期と言うよりはそろそろお嫁に行き遅れないか心配するような年齢でありまして、今これを指摘すると驚く人がいっぱいいるはずなんですね。この時期アイドル志望の子がオーディション番組に押しかけ、早い人は中学生くらいでデビューしていたわけでありまして、それが大挙してテレビに出演し始めていたのであります。デビューが早すぎて消えていった人たちがいっぱいいたのであります。天地真理さんの楽しそうな様子というのは今でも目に焼き付いていまして、新しい時代の扉を他でもなくて20歳過ぎの天地真理さんが開けてしまったんであります。かわいい、アイドルというジャンルであります。その時には、実はもう20歳を越していたはずで、もうしっかり妙齢の女性であったんでありまして、そう言えばたしかにドラマの中では堺正明さんの憧れの女性という設定だったんであります。かわいいから若い女の子と思っていた方は修正したほうがいいでしょうね。つい昨日のことのようでありますが、もう遠い遠い40年近くになるおとぎ話なのであります。ほんとに、昨日のことのようでありますけれども。

   今起きた事件が色褪せて遠く感じまして、40年前のアイドルの輝きが昨日今日のような感じであります。   
   

この記事へのコメント

sakura6809
2012年04月25日 06:47
こんにちは!!
こちらにも、またこの若葉の季節に天地真理さんを話題にしてくださってる方を見つけて、嬉しくなりました。
40年経っても、当時の彼女の歌声と笑顔は私たちの記憶のなかに、鮮明に焼き付いています。

現在でも、彼女を応援したいと言うファンが、お嬢さんの真保さんを中心にファンクラブを作っています。
天地真理オフィシャルサイト
http://www.amachimari.com/
ファンの掲示板の一つ「白雪伝 Returns」
http://snow-white2012.bbs.fc2.com/

よろしければ、お立ち寄りください。
粗忽庵
2012年04月25日 23:09
コメントありがとうございます。

今年の若葉を見ていましたら、不意に口ずさみまして、すらすら歌えましたので記事にしました。昨日記事を書きながら、ふと検索して天地真理さんのファンクラブが復活していたのでびっくりしていたところです。2010年の12月の頃に『想い出のセレナーデ』について記事にしたときも、ファンの方の反応がすばらしくてうれしかったんですが、今回もすかさずという感じで感激しております。当時の天地真理さんの歌唱力が抜群だったということを改めて感じまして、記事を書かせていただきました。

お誘い、ありがとうございます。ぜひぜひお邪魔いたします。

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