Play down any connection !  うちとけて寝も見ぬものを。(8)

テレビドラマを見ておりましたら、いつだったか「ブードゥー教」というものが出て来まして、何となく妖しい宗教という感じでありました。ドラマは『ボーンズ―骨は語る―』だったと思いますが、科学者のボーンズとFBI捜査官のブースのコンビが過去の犯罪や異常な犯罪に挑むと言うようなものであります。ボーンズ役の方は『ローマの休日』のオードリー・ヘッ画像プバーンを思わせる美女でありますが、なかなか勝ち気で声が思いっきり低音であります。つまり女性の科学者なんですが、骨の鑑定の専門家でありまして、骨から死んだ人物の生前の生活、病気、死因までぴたりと当てる天才であります。相棒のブースは元軍人さんでありまして、凄腕のスナイパーという設定になっておりまして、ゴルゴサーティーンのアメリカ版という雰囲気であります。

実りの秋でありますが、何の実かご存じ?

ブードゥー教はカリブ海のハイチ辺りの土着宗教のようですが、当然のごとくアメリカ南部ニューオリンズの辺りでは定着しているようなのでありまして、ボーンズという科学者はこれをまったく信用しないのでありますが、天才科学者で美貌のボーンズはこのドラマでは時々空気の読めない人物と設定されていますので、かえってブードゥー教に説得力があったりするというストーリー展開でありました。連続ドラマですが、毎回読み切りでありましたので、別にブードゥー教が連続して出て来るわけではありません。一度、松田聖子さんが本を書いたボーンズを取材する記者の役で出て来まして、両者は顔立ちが似ておりますので、ちっとも見劣りせず、ドラマに花を添えていたのであります。ところで、写真の紫の実でありますが、それは葡萄ではなくて、ムラサキシキブであります。一粒の大きさが、直径3ミリくらいの球形ですから、ほんとに小さいものであります。なぜブードゥー教の話を出したのかというと、写真の実を「ぶどう」と答えさせようと思ったのであります。

   うちとけて 寝も見ぬものを 若草の ことあり顔に むすぼほるらむ(第24帖「胡蝶」の巻・光源氏)

うっかり忘れておりましたが、タイトルの説明をするのをさぼっておりました。『源氏物語』を第1帖から、気ままに読み進めて参りまして、折り返し地点が見える所までやって参りました。振り返ってみると、光源氏は元服するとすぐに左大臣家のお婿さんにな画像りまして、さらに前東宮の未亡人を愛人にしたりして、何だかちっとも面白い人ではなかったのであります。それが、下町で夕顔という女性を見つけまして、思いっきりのめり込んだあたりから面白くなったのでありました。ここら辺は、世の中の映画などでも繰り返し出て来ますから、誰もが知っているはずでありまして、光源氏はもてもての美貌の皇子と思っている人は多いのであります。実はもてていないと言うことが分かっていないと、お話を読んでいないことがばれるのであります。ほんとに、もててはないのであります。

これは実の白い、シロシキブというものでしょうか。

しかし、第21帖あたりから、この第24帖あたりを読み進めてみますと、もはや光源氏のよくないところ、負の側面が際立ってきまして、玉鬘に対する光源氏の態度はもはや最低であります。部屋に入ってきて寝そべりますが、服を脱いだとありますから、今で言うセクハラであります。結局事は成就しないのでありますが、「夢にも人に決して気づかれないように」なんて言いながら帰って行くのであります。玉鬘は22歳でありますが、光源氏は36歳でありますから、ちょっとどうかというような年齢差であります。引き取られた経緯からすると、玉鬘はまったくもって赤の他人の御殿に匿われておりますので、非常に遠慮した弱い立場でありますから、これは明らかにパワー・ハラスメントですらあるわけです。親切な太政大臣が、実は正体を現して迫りましたから、ぐったりした玉鬘でありまして、ほんとに気の毒なんです。追い打ちを掛けるように、翌朝光源氏から手紙が届きまして、要するに「後朝(きぬぎぬ)の文」というような、できちゃった二人が交わす手紙を送り付けてきたのであります。

   既成事実をどんどん作ろうとしているんですけれども、この人の多情ぶりは病気でありましょう。

そこに出て来たのが「うちとけて」の歌でありまして、これは厄介な歌なのであります。「むすぼほる」というのは、糸なんかがこんがらがって玉になってしまうことですが、要するに悩んで頭がこんがらがって鬱状態になることなんです。服の紐が「解け」「むすぼほる」という修辞が裏に一つありまして、それから古代に野宿をすると、草枕を作りますので、「画像草」が結ばれた状態を「むすぼほる」とも言うわけです。それでもって「若草」が玉鬘嬢を例えているわけでありますから、「仲良く寝なかったのに、君は関係ができたみたいに何を悩んでいるの?と言うのであります。「寝」のところに「根」が掛けてあるというんですが、それはどうなのか、よく分かりません。

花弁を虫に食われている様子。

悪い虫が付かないうちに食べちゃおうと思っているわけで、光源氏は悪い虫であります。ここでおかしいと思いますのは、例の夕顔の侍女だった右近などが、この玉鬘のお付きになるべきなのに、姿が見えないのでありまして、どうも原作者・紫式部は、破綻した物語を知らん顔でどんどん先に進めているのであります。玉鬘が姫君扱いされるのは内大臣の娘だからでありまして、そのことのお披露目をしないで六条院に囲いまして、さらに世間にその存在を知らしめておいて手を出しますので、ドラマとしての展開は矛盾だらけ、ほころびだらけなのであります。ただし、展開が合理的で筋が通っているから面白いかというと、そんなことは無いのでありまして、すでに主人公が玉鬘に移行しているとすれば、ここはちっとも変ではないのでありまして、そういう主人公の変更がどうして許容されたのか、そういうことが問題ではないでしょうか。

   やれやれ、次に行くつもりだったのに、ど忘れのために1回余分に書くというのは、面倒でありました。

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