I burn her favorite scent.智恵子は年中此所にゐる。(8)

ネットのニュースをいろいろ見ておりましたら、たぶん週刊誌の記事の紹介なんでありますけれども、どうも地球に氷河期が来ているんじゃないかというような記事を発見しまして、思わず笑ってしまったのであります。何せ世の中の主流は地球温暖化でありまして、その温暖の結果夏は嵐、冬は寒波に襲われているというのが学者さん、政府関係者の説明でありますから、それから真っ向対立する意見でありまして、これだけ冬が長く寒く凍り付いているからには、そういう意見が出てきても仕方ないのであります。江戸幕府がぐらついたのは冷害が続いたからでありまして、お米が経済の中心だった時代には冷害は凶作をもたらし、凶作は餓死者を生み、餓死者の発生は時の政権を揺るがせるという寸法なのであります。よく世間で言われますのは、浅間山の噴火によって空に粉塵が巻き上がり、太陽が直接地表に到達しなくなったことによって冷害なったということですが、これは実は嘘っぱちでありまして、どこか外国の噴火や、古代の恐竜絶滅の話からの連想で出来上がった世迷言であります。通説では、冷画像害の仕上げに浅間山が噴火したのでありまして、順番が逆なんだそうです。それから、浅間山の噴火で猛威を振るったのは、熱い火砕流や溶岩流ではなくて、常温の土が大量に流れまして、これが広範囲に被害をもたらしたのだそうであります。よって、発掘をいたしますと、何ら燃えたり灰になったりしていない江戸時代の庶民の生活アイテムが出土しまして、それは嬬恋村の郷土歴史館のようなところに展示してあるはずであります。

スノーフーレクはまだ花芽が出ていません。

さて、高村光太郎さんの『智恵子抄』について気になりまして、ずっと『校本智恵子抄』(角川文庫)を読み続けておりまして、ぱっと読み終えて二三日放置しているんでありまして、文章を熟読してはいけないと思ったりするのであります。学校なんかでは、なんだかんだと熟読するようなことを教えまして、これはいわゆる精読というものなのであります。緻密な理論を展開する哲学であるとか、数学の計算式なら、途中をすっぽかしていては訳が分からないというのは当然ですが、そうしたものだってどこまで熟読する必要があるのか。人と話をする時だって、一言一言を吟味していたんじゃ、おそらく会話する目的を果たすことはできないんじゃないかと思うのであります。ここら辺が何かを理解するときの肝心要のところでありまして、枝葉末節の理解だけにこだわっていたのでは、本筋の理解何ておぼつかないはずなのです。人の言葉は飛躍もするし、嘘をつくことも皮肉を言うことも、余計な話でけむに巻いたりもするわけで、それを正面からにらみつけるように眺めまわし、恫喝するように言葉言葉を詮索していては、おそらくとんでもないことに至るはずなのであります。ともかく、光太郎さんの日記をぱっぱと読んで、その時の心情をあれこれ考えているのであります。補遺編も最後になりまして、「某月某日」4篇のしんがりの所を読みましたが、言っていることはもっともでありますけれども、これを初版の『智恵子抄』に採録しなかった理由は歴然であります。お盆を否定し、戒名をバカバカいいと退け、仏教をまったく信仰していないのでありますから、それはそれですがすがしい明治生まれの気骨のある芸術家の信念が披露されているんですが、あまりに反社会的、非常識であったと本人も思ったかもしれません。昭和14年(1939)9月10日刊の『歴程』に掲載したもので、智恵子さん没後の新盆についてしたためたものです。

   もっとも煩悩のとりこになった人が、もっとも仏性に近いかもしれないという爽快な文章であります。

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