Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(11)

近ごろ天気のことを知ろうとするときは、主にウェザーニュースにお世話になるのでありますが、「実況天気データ」という欄で、自分の住いの最寄りの情報を得ることができるのであります。それを見ますと、この辺りの今朝の最低気温は、27・4度であったようですが、深夜でも30度近い気温だったようであります。そんなことから、昼間は12時から午後5時まで5時間余りの間気温は35度を超えておりまして、まあ何ともすさまじい暑さなのであります。午後2時には最高気温36・6度を記録したようでありまして、予報通りの猛烈な暑さなのであります。週末にはこれに画像台風が加わりまして、こうなると予断を許さない展開が待っていそうであります。この何年か35度を超える猛暑の夏は定番でありますが、そこに台風が到来するとどうなるのか、通常は強い風雨によって暑さは減じまして、その代り河川の氾濫、土砂崩れだったんですが、もしそうならなかったらどうなるのか。"The day after tomorrow"と言うような状況でありまして、何事も起きないことを祈りましょう。

家庭菜園にひしめく青紫蘇。

世の中の報道と言うのは、事件が明るみに出てすぐに一件落着してしまうものも多いのでありまして、つまり報道する価値がもうないという場合があるということのようです。ところが、いつまでも報道がやまないというか、問題がややこしくて尾を引いていく場合も多いのであります。優秀な大人や優秀な子供が事件を起こしますと、これが実は単純ではないわけで、報道関係者が探れば探るほど謎が深まってしまうようでありまして、真実を知る人がいるのかどうか、いないのかもしれないというような有様でありまして、矛盾したいろんな事実が明らかになって、事件の全容が非常に分からなくなるのであります。夏目漱石さんが書いた100年前の小説『こころ』を読んで参りましたけれども、先生の口から語られる結婚前の友人「K」の自殺と、そこから派生した先生の結婚生活の不調、これは先生なる人が優秀であるがゆえに、かえってよく分からないことになるのであります。人は嘘をつきまして、嘘をつくがゆえに人間なのかもしれないのであります。先生が語る先生の真実を、嘘の混じらない真実の告白として受け止めてよいはずがありません。ただ、先生の証言なしには、過去の自殺も真相は藪の中、そういうことは世の中には多いのかもしれないのであります。

  さて、『こころ』も下巻「先生と遺書」第54節に到達であります。

未亡人が営む下宿に住んだことから、先生の人生と言うのはあらぬ方へとねじ曲がりまして、結局未亡人の目論見通りにその娘であるお嬢さんと結婚することになりました。友人の存在が結婚を決断する後押しとなりまして、しかし友人は先生へのあてつけの様な自殺を敢行しまして、その真意は遺書があっても分からないことだらけであります。漱石さんは友人「K」の遺書をそのまま掲載するという方法は採りませんでしたので、読者は先生による間接的な報告を鵜呑みにするしかないのであります。ただ、何か疑う余地があるのかと言えば、そうではないのであ画像りまして、漱石さんは読者が読み違えないように懇切丁寧に話を進めております。友人の自殺の真相を自分の胸に秘している結果、先生は妻となった女性としっくりしないわけで、正直に話すことができないのであります。話せば結婚生活が解消されそうだと思っていたのかもしれないのですが、そうは書いていないのでありまして、純白な妻を汚したくないという言葉が何か腑に落ちないのでありますが、どうなのでしょうか。

ザクロの小枝が伸びに伸びております。

事件を知るもう一人の人物、すなわち下宿屋の未亡人について、第54節で亡くなった時のことが語られます。先生の結婚後一緒に暮らしていたようですが、死の病に侵されまして、先生は妻のためにもとできる限りのことを尽くしたそうですが、ここには特に波乱はないのであります。しかしながら、秘密を知るものが先生以外にはもう存在しなくなった段階で、先生自身に変調が訪れます。医者に診てもらう気にはなれないが、なにやら「恐ろしい影が閃く」というような話でありまして、分かるようでさっぱりわからないのであります。先生自身はあれこれ述べながら、すべてを知っているのは自分だけであるというのですが、たぶん上巻の「先生と私」で留守番を仰せつかった主人公と奥さんの会話で、奥さんもほぼ先生の悩みの原因は知っておりまして、だとすれば亡くなった奥さんの母親である未亡人も、すべてを知って黙っていたものでありましょう。先生に別の生き方が可能だったのかどうか、結婚生活の不調和を解決する手段があったかどうかが問題であります。

  友人「K」の自殺が不可避であったように、先生の混迷も必然だったのでは?

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