I'm just so rattled.へべれけだ。(4)

毎日毎日、粗末な古い平屋住宅に暮らしておりまして、近所にもまれな、個人住宅としては広すぎる、しかし実際には取るに足らない広さの庭を前にしまして、来る日も来る日も写真を撮り、それを見ながらつまらないブログを書いているのであります。ここが取り壊されたら、普通の住宅が4軒は建つだろうと想像できるのでありまして、現におととしも去年も今年も、そして来年にかけてもご近所はそういう新築物件の建築ラッシュであります。その前に、救急車がやって来るという時がありまして、しばらくすると住宅が取り壊され、そして基礎工事が始まりまして、時には建売住宅の募集もあったりするのであります。ご近所の方たちは皆同世代でありまして、駅から遠い、そして本来低湿地のこのあたりに格安で土地を求め、家を建てた人たちであります。そして悲しいかな、世代交代はまったく進まず、画像老人は一人暮らし、夫婦そろっていても家の前にはディサービスの車が朝と夕方に停車しまして、さらには未婚の娘さんなどが、姿は20代ですが、実際は40代くらいでありまして、もはや老老介護、高度経済成長時代に首都圏に地方から出てきた人たちの溜まり場は、どこもこんなことでありましょう。さらにこれの20年後30年後の姿を私は知っております。

ベランダの物干しに登場したカマキリ姉さん。

私の祖父の弟が山手線の駅の近くに居を構えまして、戦前戦後を生き抜いたのでありますけれども、良くは知らないのでありますが、昭和初期に早稲田大学を出まして、一時満州に居たらしいのであります。高度経済成長の時代には、弟子を抱えて建築業を営みまして、棟梁としてなかなかの差配をふるったようであります。晩年には呆けまして、お宅はいわゆるゴミ屋敷状態、息子は立教大学を出て勤め人だったようですが、結婚したという噂もありませんでした。娘は結婚して荒川の川向うに嫁いでいたようでありまして、息子とも娘とも一度会ったきりですが、彼らは私の親の従姉妹に相当するのであります。地方から出て来て一代で築き上げましても、結局世代交代はままならず、住宅は建て替えもうまくゆかなかったわけで、いろいろな都市の問題点は、実は他人事ではないということなのであります。カマキリさんは初夏に生まれ、初冬に命が尽きるようでありまして、親子が暮らすことはないのであります。よって、おそらく自分の命が尽きそうだということも、実はよく分かっていないはずでありまして、人間のように文化や経験や知恵を、書き残すなり問わず語りするなり、ともかくいろいろな形で伝達することが出来てはいないのであります。それと同じことが、実は近代日本の都会に出てきた人々にも明らかに生じておりまして、よっぽど運がよく、健康で、人柄もよくないと数世代が知恵を出し合っていっしょに暮らせないのであります。いっしょに暮したら、いろいろ便宜が図れるのにと思うんですが、なかなかそんなうまいことは出来ないものでございます。カマキリ・レベルの私達なんでありまして、情けないというよりも、何だか物悲しいものがあります。庭が紅葉しても、カマキリには何のことか分からないはずであります。近所のご老人も、救急車を呼ぶまでは、自分がどうなっちゃっているかさっぱり自覚がないようなのです。えらそうに、つんつんしておりますね。ほとんどカマキリ。

  飲んでへべれけになって、そんな切ないことは忘れてしまうのが一番かもしれません。

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