The Devil's Dictionary.正直な事典。(8)

祖父の弟にあたる人が2000年くらいまで東京都内で生きておりまして、たぶん100歳近い年齢だったのであります。その昔大学受験をするときにお世話になったものでありまして、大工の棟梁だったので一時期田舎から弟子をたくさん取って住まわせていたために、部屋はいくらでもある様子だったのです。お蔭様で、格安の宿代で、口に合う奥さんの料理をいただきましたので、受験の方はスムーズに終了しまして、実力通りのところに収まったのでありました。祖父の弟の家から、電車の駅で二つか三つのところにある大学をいくつか受けただけですから、本当に安上がりでありまして、昔から無理をしたことがないのであります。当時は新幹線がなかったのでありまして、急行を使うと3画像時間も片道に時間がかかるものでありましたけれども、実は出来たての高速道路がありまして、田舎と東京を往復する親戚筋の車に便乗して、これもほぼ無料だったのは奇跡のようであります。まだ、作り立てですから山を削った斜面ばかりで、現在の樹木の生い茂った高速道路の風景とは全く別物でした。きっと、もっと苦労をして受験をしたりした人が当時も多かったはずなのですが、妙に巡り合わせのいい人生を歩ませてもらったのであります。

昨日のカマキリの赤ちゃん。

祖父の弟もすでに他界しまして、さて自分は親戚筋の子弟の世話をするのかと言うと、これがまったく不人気でありまして、やはり懐具合を見抜かれ、その上理屈っぽくて怒りんぼう、ケチで根暗で食いしん坊でありますから、誰も近寄らないのは仕方ないのでありましょう。甥や姪がたくさんいるんですが、適齢期にも関わらず誰も結婚しないのでありまして、私から見て孫の世代が全く生まれていないのは不思議なことであります。よって、私をおじいちゃんやおばあちゃんの弟として訪れる者がいないわけで、気楽と言えば気楽、しかしながら少々寂しい気もするのであります。自分より上の世代を眺めてみて、何とまあ機嫌よく孫の世代の相手をしてくれたことかと感心し、自分より下の世代を眺めてみて、物足りない事この上ないのであります。

【ブックオフコーポレーション】
中古本販売チェーン「ブックオフ」(BOOK OFF)を展開する企業。新古書店の草分け的存在で、業界最大手である。本社は神奈川県相模原市南区に所在。
それまでの古本屋の形をうち破り、「新古書店」と呼ばれる新しい古本屋の形態を作り上げた。

【ハードオフ】
新潟県新発田市に本社を置く、中古品リサイクル販売業を直営店またフランチャイズ方式で全国に展開する企業である。東証第一部上場。
ブックオフコーポレーションとは、直接的な資本関係はない。しかし創業者同士が個人的に親しくしていた縁から、友好企業として互いのフランチャイズに加盟しあっている。
(ともにWikipedia日本版抜粋)

【解説】
家の中を整理して、ゴミを減らそうとすると、頼もしい味方はブックオフとハードオフである。収集したお宝を高く売ろうとすると、必ずしも役に立たないのであるが、いつの間にか家の中に溜まった不用品を処分するときには、非常にありがたい店である。時には驚くほど高額で買い取る時があって、そういう時には持ち込んだゴミが実は人気の品物だったと気が付き、驚くほど安値を提示された時には、店員の見る目がないのじゃないかといぶかしく思ってしまう。中身のない今時のコミックが数百円で買い取ってもらえるのに、大作家の名作の文庫本が買い取り価格の付かない処分品としてカウンターに積み上げられているときがある。買取査定の待ち時間で店内をくまなく回ると、一つや二つ掘り出し物が見つかる。いつも読んでいるブログの一つが、ハードオフでジャンク品のCDプレーヤーを先日100円で見つけて買ってきた話を書いていた。昔自分が不要と思って処分したのと同じ型だったそうだが、裏蓋を開けて点検したら、配線が抜けているだけのことで簡単に復旧し、これで無事取り戻すことが出来たと喜んでいた。長らく惜しいことをした、もったいなかったと昔の処分をくよくよしていたらしいが、これでもやもやが晴れ、自分が売ったものを自分で回収したかもしれないとまで書いていた。似たような僥倖は、ハードオフではしばしば経験する。ブックオフでも同じようなことがたびたび起こる。

   よって、ごみを減らすはずが、逆に増えるという状況が生じる。ままならない人生。

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