School headmasters are venal men.教科書疑獄。(3)

まもなく立春であります。「暦の上では春です」なんてことを言いますけれども、その言葉はちょっと再検討したほうがいいかもしれない、などという余計なことを以前考えてみました。常識としては、立春から春でありまして、その結果どこにも春めいたものがないというジレンマに陥ったりするのであります。立夏も、立秋も、そして立冬も、それぞれの季節の初めと言うには無理がありまして、だからこそ「暦の上では~ですが」という言い回しが成立したわけであります。田中新一さんという方が昔書いた『平安朝文学に見る二元的四季観』という本を見たら、二十四節気というのは、奈良から平安初期にかけて貴族の中で話題になっただけで、実はやがて顧みられなくなったというような話が出ておりまして、要するに実感に即さないものですから、概念として理解はできても、廃れてしまったというあたりが本当のことのようです。「啓蟄」などと言うと非常にカッコいいわけですけれども、二十四節気の言葉で含蓄があるのは「啓蟄」ぐらいでありまして、画像真冬に出て来る「小寒」とか「大寒」を見ればわかるように、本当に下らない言葉で節気を表現しているにすぎないのであります。近ごろで言えば「イノベーション」と同じでありまして、初めて聞けばインパクトはありますが、普及したらもう耳目を引かない言葉でありましょう。

リラの花。ライラックとも申します。

太田裕美さんのシングル2曲目のB面に『リラの花咲く頃』という歌がありまして、先ほど聞いてしまいました。この方のデビューから4曲目までというのは、非常に独特の歌唱をしているのでありまして、高音の出し方が普通ではないのでありまして、例の『木綿のハンカチーフ』で爆発的に売れてからの方が尋常な歌唱法なのであります。太田裕美さんは1955年生まれでありまして、実は麻丘めぐみさんなんかと生年が一緒のはずですが、学年は多分太田裕美さんの方が上なのであります。そう聞いて耳を疑う人が多いはずで、デビュー時期が遅かったのと舌っ足らずな歌唱法で太田裕美さんをものすごく若いと感じている人がいるはずなのです。19歳くらいでデビューしているので、最初から大人の恋の歌を歌っていたんですが、そう思っていない人がいっぱいいることでしょう。だから、初期の歌というのは初恋の純情ではなくて、結婚適齢期の女性の切ない思いを託したものばかりでありまして、恋の相手は学生さんではないケースの方が多いはずなのです。例の『木綿のハンカチーフ』も、主人公を振りそうな男を大学生だと思っている人が多いのでありますけれども、あの男は有職の青年でありまして、「帰れない」のは仕事が忙しいからなのですが、いかがでございましょうか。昔聞いた歌謡曲というのは、1番ばかりが流れましたので、うっかり誤解していることが多いのでありますが、全部聞いてみると設定されている状況が随分違うということがあります。

   キャンディーズとピンクレディーの活躍時期はほぼ一緒。ほんとに。

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