Wait for me in the wind. 雲が焼け道は乾くとも。(4)

お墓のことを考えていたら、「土饅頭」という言葉が気になりまして、そうそう「どまんじゅう」と言うのではなかったかと思うのであります。子供のころに墓地に行くと、墓石の立っているお墓よりも、土饅頭のほうが目立つぐらいでありまして、雑司ヶ谷霊園なんかを見ても、たまにそういうお墓があったものであります。竹久夢二のお墓だって、初めて見た時は随分質素なお墓だったのに、誰がお金を出すのか、今じゃそれなりのお墓の体を為しているような気がいたしま画像す。つまり、若い時に見た夢二の墓をもう一度見に行って、ありゃりゃ様子が違っていると思ったわけで、今風にされているのであります。お墓も流行廃りがあるわけで、何でも石を載せればいいというものでもないような気がするのであります。

ツワブキ

要するに、戦争に負けてすっからかんになった時がありまして、その後の高度経済成長によって潤うと、世間は思いがけない発展を見せたわけで、藁と紙の家が鉄筋とコンクリートになったように、土饅頭の墓は、あっという間に御影石の大きさを競うものになったのでありましょう。それでもって、貧苦にあえいだ過去を糊塗するかのように、我が家は名門である、すごいのである、国鉄の駅から我が家まですべて我が家の土地である、というような神話を形成したわけであります。そうしたら、権兵衛の墓、次郎丸の墓では格好がつかないのでありまして、狸小路家の墓であるとか、貉大路家の墓であるとか、いかにも由緒ありげに苗字を付けたのであります。国民の多くは、たぶん名字帯刀はせいぜい幕末からでありまして、もともとないはずの苗字が麗々しく御影石に刻まれたのであります。ちなみに皇族には苗字はないのでありまして、苗字がないから恥ずかしいわけではないのであります。明治になってみんなが苗字を名乗り、戦後の農地解放によって平等になったという勢いで、お墓には堂々と苗字が刻まれたんでありましょう。

   違っていたらごめんなさいであります。土饅頭で充分なのに。

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