和久井映見 シングル レビュー 一覧(1)

今さらと言う感じではありますが、せっかくだから、聞いてみた感想を述べてみようと思います。評価を10点満点にして分かりやすくするというのは、「歌謡曲の砦」というサイトhttp://wagamamakorin.client.jp/kayou-main.htmlの真似ですが、そのままでは芸がありませんので、評価の基準を自分なりの言葉で示しますと、
 10点 ぐっとくる作品。人生の肥やしになります。
  9点 名作。聞いてみて損はしない。
  8点 良作。ファンじゃなくても納得できる。
  7点 佳作。安心して聞いていられます。
  6点 平均点。もう一工夫ほしい感じ。
  5点 凡作。お勧めできません。
  4点 失敗作。欠点を並べてしまいそう。
  3点 愚作。こういうのもあるよと笑えます。
  2点 駄作。話題にすると人格を疑われそう。
  1点 事故。聞かなければよかった。

ちなみに、和久井映見さんのアルバムはベスト盤を含めて12枚出ていますが、そのうち2枚がシングル10曲目までを収録したベスト盤になっています。2枚は、収録曲の順番が違っています。残念なことに、シングル13曲をすべて漏れなく収録したものも、さらにカップリング曲までを含めて26曲を収録したものは出ていません。ただ、その多くはアルバムに含まれていて、さらに大方はYouTubeで聞くことが出来ます。AmazonのprimeならびにSpotifyでは、11枚目までのアルバムと、13曲のシングルならびにカップリングの曲まですべて聞けます。

①~⑬までは発売順を表し、発売の日付を参考までに付けました。作詞・作曲・編曲のデータを曲名の後に掲載しました。

① 90・1・1 
 〇 マイ・ロンリイ・グッバイ・クラブ 
      
作詞;康珍化 作曲;亀井登志夫 編曲;門倉聡

*デビュー曲。詳しい解説がネットに出ていて参考になります。    https://blogs.yahoo.co.jp/cherrycreekjp/60838973.html
和久井映見さんは、バンドをしていたことがあるとか。さらに、ドラマの打ち上げなどで中森明菜さんの「Desire -情熱-」を歌い上げるという話もありますから、デビュー曲はそういった彼女の志向もふまえて作り込んだ作品で勝負したようです。途中で強く唸るところが聞き所かもしれません。MV(PV?)をYouTubeで見ることが出来ます。テレビ宣伝を見て、生まれて初めて買ったCDがこれという世代がいるはずらしいのですが、本当でしょうか?。7点

※追記 プロモーションビデオがYouTubeに2種類ありまして、一つはVHSやLDで出ていた『インヴィジブル』のドレスを着てお人形さんのようなものでありまして、その中では時々サビを口ずさむシーンがある程度です。もう一つは、左ハンドルのスポーツカーの助手席に乗って中華街を走るシーンが出て来るもので、歌唱シーンは光をセーブしてほの暗いところでダンサーを従えて歌っているものであります。こちらは、まったく中森明菜さんかと思うようなヘアースタイルで、激しく歌う様子であります。レストランでのお食事風景も出てきますので、歌詞の内容に具体性を与えているところが見どころであります。

 c/w シンプルな理由
      
作詞;竜真知子 作曲;上田知華 編曲;白井良明

*デビュー曲のカップリング。アルバムには未収録。その後の和久井映見さんの女優のイメージにもぴったりあっている感じがします。はかない失恋の歌をはかなげにささやいて歌っています。歌声は低音ではなく、高音できれいに歌っているのがわかります。80年代までならこの路線で打って出てもよかったと思いますが、そういうアイドル路線は80年代後半にはもう絶えていたような印象があります。ありがたいことに、YouTubeにアップされています。8点

② 90・9・5
 〇 天使にスリルをおしえてあげて
      
作詞;康珍化 作曲;羽田一郎 編曲;門倉聡
※フジテレビ系ドラマ テニス少女 夢伝説「愛と響子」主題歌

*これも、MV(PV?)をYouTubeで見ることが出来ます。この時期の和久井映見さんのかわいらしさを、「天使」と表現しているわけです。恋のスリルを私に教えてと歌いますから、なかなか考えられた歌詞になっているわけです。テンポがよくて、恋愛のドキドキ感をうまく表現している。柔らかいほんわかした歌い方から、急にシャウトするのはデビュー曲と似ていて、面白い特徴です。麻丘めぐみさんのデビュー曲「芽ばえ」に、そんなところがあるんですが、他にそういう例があるのかどうか、よく知りません。もちろん、急に力んだり、唸ったりするのは演歌じゃ普通ですが、ポップスだと珍しいかも。最後の決め台詞”I call your name”の艶っぽさに好感の持てる一曲。アルバムは4枚目の「ふたりは夢であいましょう」と12枚目「ベストセレクション」には、そのままシングルバージョンで入っていますが、9枚目「シングルス」に収録されているものはニューバージョン(編曲;木本靖夫)となっていて、イントロの出だしが違います。GS色が強いんですが、その方がしっくりいたします。8点

 c/w Please

作詞;康珍化 作曲;TRIO=ROID 編曲;門倉聡

*これは、アルバムには未収録で、さらにYouTubeにも見当たらないため、Amazon・primeもしくはSpotifyなどで聞くしかない曲です。長々とナレーションを語った後で、少しだけボーカルが歌うという不思議な作品。バックコーラスが「プリーズ・プリーズ」と歌っています。デビューした最初と二番目のカップリング曲の二曲が、アルバムから外れている点が気になりますが、幻のアルバム企画があったのかもしれません。97年に発売されたアルバム「心に花が咲くように」は、和久井映見さんが企画したもののようですが、そこにはナレーションが多用されていて、趣向はこの曲にそっくりなのであります。そのナレーションの声や語り口も、90年のこの作品とほぼ一緒。もしかすると、カップリング曲の選択は、歌い手本人にある程度任されていたのかもしれない、と思ったりするわけですが、実際はどうだったのでありましょうか。7点

③ 91・7・1
 〇 アキラが可哀想
      
作詞;康珍化 作曲;小倉博和 編曲;門倉聡

*YouTubeに、この曲のプロモーションでテレビに出演して、司会者にちょっといじられている和久井映見さんの姿を見ることが出来ます。歌詞は三角関係が描かれていて、悪女に翻弄されるアキラを気にして、彼のいいところはあの女は分かっていないと、恋心を燃やしてしまう遊び仲間の女の子のジェラシーがモチーフ。この時期のプロデュースの方向がはっきりとわかりますが、現在からみると歌い手である和久井映見さんのイメージとの距離があって、少し無理が感じられます。しかし、80年代後半のアイドルはちょっと強気で不良がかっていましたから、それを意識して受けを狙ったかもしれません。歌詞の内容は、バブルが極まった時代背景を考えると、クラブのお立ち台なんかが浮かんで来てしまいます。アキラは、イタリアンスーツを身にまとっている若いサラリーマン、というような設定かもしれません。だったら、和久井映見さんはイケイケで踊る女子の役回り。かわいいから、ちょっと純真なこの子の方がアキラのハートを射止めそうだ、という狙いですね。赤い背景と赤いドレスで統一されたシングルCDのジャケットは、豪華そのものでものすごくインパクトがあります。この歌は、第2番目のアルバムの「ルナール」にも収められています。8点

 c/w 花で言えばバラのようなあなた
      
作詞・作曲;CANCAMAY 編曲;門倉聡

*この曲も、アルバム「ルナール」に収められています。ちょっと単調な印象の曲ですが、カップリングのあり方としてはぴったりかもしれない。コンサートなんかで披露されたら、客席も一体化して歌えそうなリズミカルな曲になっています。こういう歌を、卒なくしっかり歌っているところがいいと思います。これも、コーラスが加わって華やかなイメージです。6点


④ 92・1・25
 〇 わかっているわ、ダーリン
      
作詞・作曲;CANCAMAY 編曲;門倉聡
※日本テレビ『柳沢慎吾のいい夢みろョ!』オープニングテーマ

*デビューから4曲目。ここまでの路線の締めくくりという感じで、ここはルーフ付きのスポーツカーで、彼に運転させながら、ちょっとルーフから顔を出そうとするという場面を歌にしたもの。あえて叱られようとしている女の子と、注意する男の掛け合いがそのまま歌詞の中で表現されているんですが、それが面白い。二人の関係が、なかなか進まないのか、あるいは倦怠期なのか、ともかくちょっと危険水域に差し掛かっているので彼の気を引きたい、という女心を歌っているわけです。バブル期の若い女性の欲張りな心理を、和久井映見さんに表現させてみたかったようで、男が軟弱で食い足りないようなあの時代の空気感は、見事にとらえられていると思います。二人の関係が「ゼロになるかもしれない」という歌詞があるんですが、これをヒントにすると、ダーリンの職業はおそらく証券のディーラー。あの当時、東京駅の地下には滋養強壮用のドリンクだけを扱う売店があったんですが、みんな通勤途中でぐい飲みしてました。一般人も株に夢中で、証券会社は超多忙の頃。この曲は、第3番目のアルバム「なぜ愛してるふりをするの」に収められていますが、それは編曲を変えてあります。8点

 c/w なぜ愛されてるふりをするの?
      
作詞・作曲;CANCAMAY 編曲;門倉聡

*これも、翌年発売されるアルバム「なぜ愛してるふりをするの」に収められている曲です。曲名とアルバム名が、一方は「愛されてる」、もう一方は「愛してる」と微妙に違っているんですが、それがわざとなのか、それともうっかりしたのか不明です。いや、やはりわざとなんでしょう。歌詞は「愛されてる」と歌っています。「なぜ(彼女から)愛されているふりをするの?」という意味のはずですが、アルバムのタイトルは「なぜ(彼女を)愛しているふりをするの」という意味になるものと思われます。どっちも、振り向かない相手を責めている表現になるはずです。オフィスで電話をする男性を、ディスクに座った同僚の女性が見つめて、熱いため息を吐いているという構図。誘惑したくてしょうがないという歌。相手の恋愛遍歴を知っていて、「いちどだけのあなた」と揶揄しているが、何が一度なのかはあとで種明かしがされています。歌詞に、「いちど誰か愛したら二度と恋をしないの?」とありまして、それが答えになっています。浮気をしてみないの、二股懸けてもいいのよという内容ですから、歌詞はきわどいところを狙って見事だと思いますが、和久井映見さんの歌唱法はもっときわどく、ため息をうまく表現して秀逸です。これを歌った頃は20歳そこそこの若さなのに、ここまでの表現力があったことには驚かされますね。高橋真梨子の「桃色吐息」を、オフィスで実現したみたいな感じです。第3番目のアルバム「なぜ愛してるふりをするの」は、この路線で固めてあって、その中にあっても際立つ一曲。文句なく10点

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