テーマ:小説

掌小説(5) 地下の霊安室・下 その3

撮影者は著者。 2014年7月、白河市南湖神社境内。  いやあ、驚いた。目が覚めたか。あんなところで泡を吹いて倒れるから、こっちの方が驚いたんだが。ああ、俺か、俺は圭吾の兄で誠吾。「まこと」に「ご」と書いて誠吾と言うんだ。ほら、昼間のバスで乗り合わせたじゃないか。そ…
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掌小説(4) 地下の霊安室・下 その2

写真はフォトライブラリーからダウンロード。 撮影者は、北海道で写真修行をしている という”RUCA”さん。  大倉靖男は、観葉植物の葉の茂みの隙間から、立ち去ってゆく谷村圭吾の背中を見送っていたが、振り向いてこちらの存在に気が付きはしないかとひやひやした。午前2時の時報のあとはふ…
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掌小説(3) 地下の霊安室・下 その1

東京吉祥寺・ハーモニカ横町 撮影者は”金魚8”さん。 フォトライブラリーからダウンロード。  若い頃というのは、やみくもに徹夜をしたがるものだ。昨日の晩は福島の岳温泉の旅館に泊まったが、夜明けまで話し込んで倦むことがなかった。日が昇る頃にうとうとして、それから朝食を食…
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掌小説(2) 地下の霊安室・中

松尾鉱山緑ヶ丘団地跡の廃墟。 写真サイト「BlueWind」から。  谷村圭吾の率いるミステリー同好会の一行は、しばらく八幡平の台地の平坦な道を歩いていたが、次第に光景が変った。そこに出現したのは、鉄筋コンクリートの団地群であったから、大倉靖男は光ヶ丘団地のようだと思った。さらに近づく…
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掌の小説(1) 地下の霊安室・上

写真は八幡平アスピーテライン。 撮影者は”traveler”さん。 フォトライブラリーからダウンロード。     盛岡駅から出たバスは、松尾八幡平の駅を経由して、次第にのぼりになった。急坂をのぼる時には背もたれに押し付けられるようになりながら、乗客はそれぞれのおしゃべり…
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Stop it immediately when you can't do.己が分を知る。(6)

先日、都内の某所へ行きまして、まるまる4時間暇ができましたので、すぐ近くの図書館に繰り出したのでありますが、何とそこは改築のため鉄板で囲ってあるのであります。ガビョーンと驚きまして、なぜ驚いたのかといえば、事前にネットでアクセスして場所と開館時間を調べていたからであります。そこには、休館するとか改築するとか、そういう有益な情報はなく、要…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(13)

さてさて、どうやら数年間続きました真夏の猛暑はもう過去の物になったようでありまして、お盆が過ぎてぐっと涼しくなってきました。その証拠にこの48時間の気温の推移を見ておりますと、最低気温は今朝の午前4時の21・8度、最高気温は昨日の正午の28・9度でありまして、もう30度に届いていないのであります。どこの記録かといいますと、これは「さいた…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(12)

昨日は、終戦記念日だったそうであります。初めて知った日を思い出そうとしても、うまく思い出せないほど分かり切った日でありまして、忘れようもない日であります。敗戦記念日じゃないの、ぼろ負けしたくせに、という突っ込みはもう昔のことであります。終戦・敗戦が歳時記の中に入り込みまして、新聞やテレビはここぞとばかりに平和の誓いというものをアピールし…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(10)

ようやく私にも事の真相が見えて、欅の木陰の涼しさに汗も引き、人心地がついたようであった。僧侶は奥さんを相手に今後の法事のことなどを話していたが、その内容の多くは先生の事ではなくて、墓の中に納まっている先生の友人の事であった。友人のイニシャルが「K」ではないことは言うまでもない。その友人が未亡人の下宿で変死を遂げた時、彼の死を弔う親類縁者…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(9)

蝉時雨の霊園の中を、つむじ風が私の体を包んで運び去りそうに吹いたかのように感じた。空中に巻き上げられ地面に叩き落されそうな予感さえした。墓石を背にして私の前に立つ先生の幻影を見ながら、私は絶対零度の世界に連れ去られたかのような恐怖を感じて立ち尽くしてしまったのである。気が付けば奥さんはすでに笑い声を収めて私より半歩、先生の幻に近付き何事…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(8)

あれから七年の時が流れた。先生の行方は杳として知れず、そのために奥さんは寝付いてしまったこともあったが、今はあきらめがついたと見えて、失踪宣告をすることにして、先生は法律上は亡き人ということになったのである。その間に一度、奥さんの依頼で、先生が旅に出ると言っていた鯛の浦の誕生寺に出向いて探してみたけれども、寺の住職に聞いてもこれといった…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(7)

私は父の最期に間に合った。父はもう意識のない状態で冥途への道を歩きかけていたようだが、私が戻ったことを盛んに母が訴えると、父はかすかに頭の位置を動かすそぶりで、声はよく聞こえなかったが、その時傍らにいた兄の話では「卒業式は済んだか」というようなことを言おうとしていたというのである。卒業証書を持ち帰ったのを見て歓び祝宴を開こうとしていた父…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(6)

先生は留守であった。留守だと答えたのは奥さんだった。玄関の戸を開けた時の勢いが尋常ではなかったと見えて、奥さんは何かあったのですかとこちらをいぶかしげに見るのであった。先生はどちらにと聞くと、何でも潮風に当たりたいということで、安房のどこかの寺にお参りに行ったのだと奥さんがこともなげに答えるので、私は拍子抜けするとともに、確信にまで高ま…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(5)

歩き疲れた私は、空腹も相まってもう一歩も歩くことが出来ないような疲労に襲われて、否が応でも食いもの屋の看板が気になる有様だった。親が死んでも食休みというつまらない諺が、食う前から脳裏にべったりと張り付いたような気がして、なるほど人間というのは心などという空虚な架空の物に振り回されているふりだけで、実は肉体が存在して、それに付随してまるで…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(4)

汽車が終点に着いた時、私はすでに畳んだ先生の遺書を風呂敷の中に包み直し、駅のプラットホームに降り立った。改札へと急ぐ人波の中で、私は自分が空腹であることを意識したが、その意識を押さえつけるように遺書の内容が重く私を押さえつけていることも強く意識した。私が懸念したのは、すでに息絶えた先生を自分が最初に発見する立場にあるのかどうかということ…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(3)

台風であります。台風が通過してゆくわけですが、雨がざっと降ったり、強風が吹いたりしまして、落ち着かない荒れた天気の一日であります。涼しい風が来たかと思うと、妙な温風が吹き付けまして、帰省も観光も踏んだり蹴ったりでありましょう。天気予報で通過してゆく場所まで分かるようになっておりますが、あれはあくまで見えない台風を可視化しようと努力した結…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(2)

台風の影響でありましょうか、本日は朝からずっと曇っておりまして、夕方を迎える頃には雨も降り始めましたが、日中の最高気温は27・2度、夜になって23度くらいまで気温が下がりまして、連日の暑さは一段落したのであります。なるほど、こういう日があるなら平均気温は下がりまして、夏と言えども涼しい日はあるものなのです。この涼しさはここ数年には無いこ…
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I accomplished the impossible.やれやれ『こころ』を読み終えた。(1)

台風が直撃するそうでありまして、その前触れとして各地で雨が降っているようであります。前線のかかっているところへ、台風が北上しますと、これはもう大雨になるわけでありまして、そうなると日ごろはちょぼちょぼ水が流れていた川岸の風景が一変するのであります。要するに本来の川の姿が表われると言いますか、岩がごろごろしていた河原などは、それが岸辺など…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(13)

「♪とりとめのない心、人はどう癒してるの? 心の中はいつも背中合わせのブルー」歌える人は歌えてしまう、昔の大ヒット曲であります。もちろん渡辺真知子さんの歌った歌謡曲『ブルー』なんでありまして、シングルレコード3枚目、作詞と作曲は渡辺真知子さん自身の作曲でありまして、自分で作って自分で歌ったんですけれども、まあなんとも歌謡曲を越えて迫りく…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(12)

どうやら今年は、積年のいろんな嘘が発覚して、世の中の見方をシニカルなものにシフトする必要のある年のようであります。別に世の中をのんきに眺めていたわけではなくて、いろんな事件を見てもなんだか他人事のような感覚でありまして、嘘や偽りが発覚してから、世の中が嘘や偽りに振り回されていた全貌を眺める有様なのであります。耳の聞こえない人の作曲した交…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(11)

近ごろ天気のことを知ろうとするときは、主にウェザーニュースにお世話になるのでありますが、「実況天気データ」という欄で、自分の住いの最寄りの情報を得ることができるのであります。それを見ますと、この辺りの今朝の最低気温は、27・4度であったようですが、深夜でも30度近い気温だったようであります。そんなことから、昼間は12時から午後5時まで5…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(10)

そう言えば、でありますけれども、そう言えばどうも今年はアサガオが遅いのではないかという気がするのであります。もちろん、もうすでに咲いているところもあるんですけれども、しかし咲かないところはまったく咲いていないのでありまして、いろんな気象現象の結果として、ある植物は早く咲き、それに対してアサガオが遅く咲くということはあってもよいかもしれま…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(9)

あちちちち、とても熱いです。ここに来るまでのアスファルトの熱さときたら、こりゃあもうフライパンでゴマを炒っているような熱さでございました。やっぱりこう車の下というのは、非常に落ち着くわけでありまして、日に焙られないで昼寝するのには最高であります。だ、誰でしょう、私のこの寛いだ姿を撮影しようとしているのは、まあ、昼寝を邪魔するのでないなら…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(8)

もうただ暑いだけでありますから、天気予報を一生懸命眺める必要もないのでありますけれども、今朝の室内は暖房のかけ過ぎの様な異様な暑さでありますので、一体どれくらいの温度なのかと不審に思うのであります。念のためデジタルの時計に付いている温度表示を見てみたら、28・4度とありまして、アナログの温度計の針もだいたい同じであります。湿度が60%で…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(7)

本日は8月2日でありまして、やはり何でもない日の一つでありましょう。小学生の頃、宿題を7月中に片付けまして、8月の声を聞くともうすることがない状態を堪能していたわけであります。だいたいラジオ体操も、何らかの学校行事、特に臨海学校などというものは7月中に終わっておりまして、後はお盆を待つだけというのが普通だったのであります。冷涼な高原に育…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(6)

もう八月でありますか。時の経つのは早いものであります。旧暦で言うと、本日は7月6日に当たっているようでありまして、間もなく上弦の月であります。本当なら明日が七夕でありまして、この天気なら天の川も見えるのかもしれません。あと一週間ほどすると立秋でありまして、今年は涼しくなるというような予報もあったはずなのに、これから一週間は35度まで気温…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(5)

この二三日で急に新聞に取り上げられたのが、空き家になった家屋がものすごく多いという記事でありまして、じゃあ詳細に記事を読む気がするかというと、そんな気も起らないのであります。読まなくても記事の内容は明らかでありまして、何をいまさらそんなに新聞が驚いて見せるのか、そちらの方がいつものことと言え、気に掛かったりするのであります。国民が共産党…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(4)

いろんな事件、いろんなことが起きまして、どうやら外食で鶏肉は食べられなくなるのでありましょう。あの事件で気になるのは、賞味期限の切れた鶏肉を再販売していたようでありますが、その場合食味はどうだったのか、あるいはお腹は壊さなかったのか。もし仮に、再出荷されたものが十分美味しくて、腐っていたりしないで、それなりに消費されていたということにな…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(3)

いやはや、衝撃的であります。家族が買って来た長崎の切り落としカステラをおやつに食べましたけれども、なにかこう平常心ではいられないわけでありまして、カステラと下に敷いてあるパラフィンの様な紙の間に、ザラメがいっぱいであります。ここまで読んで、危ないことを考えた方は正常であります。カステラというのは、おそらく大きな型に入れて造るはずですから…
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Only I know all.ついに漱石『こころ』を読み通す(2)

他人のことは分からないのでありますが、自分のことで不思議だなあと思うのは、40歳を過ぎたころから、何かをした疲れが数日後に出て来ることでありまして、疲れが分散して出て来るような気がいたします。それを最初に感じたのは、腕に激痛が走った時でありまして、何か悪い病気か、死ぬのかと恐れましたが、それが何日も前にやらされたアーチェリーの筋肉痛では…
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