Mount Vesuvius has erupted in 1944.花束を投げた。(9)

この冬の間気にし続けてきた天気のこと気象のこと気温のこと、そういうことをすっかり忘れてしまいそうなくらいホカホカの朝であります。今朝の最低気温が午前6時の8・1度でありまして、これはこの時期としては相当暖かい朝であります。その気温は4月15日くらいの最低気温の平均でありますから、何となく暖かいのも肯けるわけでありまして、習慣に従ってストーブを点けましたけれども、早々に消火しまして、室内の暖房設備はすべてOFF、さらにシャツ一枚という出で立ちですから、大したものであります。さらに、靴下も脱ぎましたがちっとも寒くなくて平気でありまして、やれやれ、冬にもこんな日がたまにあったらよかったのにと思う次第であります。テレビでは高校野球を中継しておりまして、いわゆる春の選抜であります。見ながら思い浮かべたのは、この冬に楽しんだ『木更津キャッツアイ』でありまして、このドラマは野球部OBが主人公となっている破天荒なストーリーなんですが、『あまちゃん』で一大ブームを巻き起こした宮藤官九郎さんが10年くらい前に脚本を担当した作品でありまして、放映当時はもう一つ視聴率が取れなかったそうですが、なかなかどうしてどうして面白い作品でありました。夏の大会の県予画像選の決勝で敗退したチームのその後を描いておりまして、青春の蹉跌とそのあとの無軌道ぶりに眉をひそめる人もあるだろうと思うんですが、東京周辺の、特に関東地方の地方都市の現状をこれでもかこれでもかと畳みかけまして、非常に鋭いものがあります。実名で出てくる芸能人もいて、現実とフィクションが交錯するところが『あまちゃん』に通じるかもしれません。

後ろから見た水仙の花弁。

昨日紹介した高村光太郎さんの「噴霧的な夢」という詩でありますが、イタリアはナポリ近郊のヴェズヴィオ山を智恵子さんと見に行くという夢を描いたものですが、智恵子さんに包まれた状態で火口を見に行き、智恵子さんが富士山ろくの秋の七草の花束を噴火口に投げ込むというようなくっきりとした映像が出てくるのであります。その時の智恵子さんが非常に光太郎さんには素敵に感じられたようでありまして、目が覚めてからたとえようのない幸福感に浸り、それまでの不全感が消滅して、全能感に満ち溢れた状態で夢を振り返って詩をしたためたようであります。智恵子さんの死後も、智恵子は僕の周りにいると言ってはばからなかった光太郎さんでありますから、登山電車に乗り二人で連れ立って花束を投じるまでの長い夢は大歓迎でありまして、智恵子さんが自分とともにいることをひしひし実感して爽快な気分を味わったのであります。薬師丸ひろ子さんに、『胸の振子』という名曲がありますが、それは女性の立場から愛する男性を守ってあげるそばにいてあげるという歌でありますけれども、旋律と相まってなんとなく女性はもうすでに亡くなった人で、夢の中に出てきて彼女を恋い慕う男性をなだめすかしているような、暖かく包み込もうとするような歌詞の内容なのでありますけれども、相思相愛の夫婦だったのに妻を亡くしてしまった男性の心痛を和らげるようなところがありまして、その『胸の振子』という歌謡曲と、光太郎さんの夢を描いた詩はどこか通じるところがあるようです。

  『木更津キャッツアイ』にもマドンナ役で薬師丸ひろ子さんが出てきますが、すごいマドンナ。

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