We will get more Olympic. 東京五輪・近日入荷!(7)

詩人の谷川俊太郎さんは、昭和6年(1931)の生まれでありますから、その御誕生のころに日本はオリンピックとやらを開催しようと目論んだのであります。しかし、昭和15年(1940)の開催を目前に控えて、昭和13年にこれを中止したわけでありまして、オリンピックを開催するというのは大変な名誉でありますけれども、今年のソチオリンピックで分かったように、その名誉にふさわしからぬ行いがあると見るや、国際社会はオリンピックへの参加と引き換えのようにあれやこれや大国の横暴を糾弾しまして、しばしば世の中に緊張が走るのであります。オリンピックが中止になった時、おそらく谷川俊太郎さんは杉並第二小学校の児童だったはずなのであります。終戦間際には、豊多摩中学校の学生さんでありますが、お母さんと一緒に京都府に疎開しまして桃山中学に転校したようであります。戦後に戻って来て、復学しますが、自由奔放な詩人の魂には学校は耐え難かったようでありまして、新制画像の豊多摩高校をかろうじて卒業したのが、この詩人の最終学歴のはずなのです。戦後の日本は、昭和29年あたりからオリンピックの招致に乗り出しますが、実現したのは昭和34年(1959)のIOC総会で、昭和39年(1964)の開催を勝ち得た瞬間でありまして、24年も開催がずれこんだと言えそうであります。開催が決まった時の谷川俊太郎さんは28歳、そして東京オリンピックがようやく開かれた時には33歳くらいだったのであります。

ようやくのこと咲いたアサガオ。

谷川俊太郎さんは、東京オリンピックの記録映画作りに参加していたそうでありまして、おそらくは詩人の自由闊達で鋭いものの見方を取り入れまして、記録映画に特色を出そうと目論んだ人がいたということになります。谷川俊太郎さんは市川崑監督の弟子であることを自任していたそうで、監督の映画の脚本なんかを手掛けていたと言いますから、ただものでないことは間違いないのであります。さて、その谷川俊太郎さんの面白い詩を見つけましたので、それを紹介しようと思って、つらつら妙なタイトルで書き綴ってきたのであります。特に、日本語の見出しの方は、これはもう完全なパクリでありまして、見る人が見たら、ああコピペだと叱られそうだったんでありますが、別にビッグローブのブログの片隅なんかに世間はちっとも興味がないわけで、おかげで少しの遊びができるのであります。今手元にあるのは、角川文庫に収められた『谷川俊太郎詩集』でありまして、昭和43年(1968)12月20日初版と奥付についておりまして、昭和57年(1982)2月20日22版というものなのであります。40年前の印刷物ですからわら半紙の様なページが茶色く劣化しておりまして、いつまで持つのやらと思うような状態であります。タイトルは「につぽんや」とありまして、正直に申し上げると、実は何のことやら分かりませんが、これはたぶん当時の世相風刺のようであります。

 につぽんや   谷川俊太郎

スコッチ あり升
水 品切

自動車 投売
道 売切
ミサイル 高価買入
基地 御相談

オリンピック 近日入荷
フジヤマ 見切

但 SYMBOL 非売品


以上であります。以上のような詩でありますが、まるで2020年のオリンピックのことかと思ってしまうところがあることでしょう。自動車はいくらでも作って売りますが、肝心の道路のほうは、これが快適とまではゆかないのであります。基地の問題もくすぶっておりますし、世界遺産の富士山は登山客のゴミでとんでもないことになっているとか。最初の一節は何となく分かるんですが、最後の一行が難解であり升。「升」はもちろん「ます」と読ませるのであります。ともかく、国家を挙げての商売・観光・イベントの類いが、どうもどことなく破綻の様相をきたしている状況を詩にしたみたいでありますが、それから50年近く経ちまして、この詩のアイロニーは色あせるどころか、見てわかる通り至極健在なのであります。だとすれば、何となく敬意を表して、こちらも何か言わねば気が済まないような思いにとらわれたわけです。

  大和魂堂  粗忽庵

オール電化 あり升
原発 入荷待

液晶テレビ 投売
番組 品薄
オスプレイ 高価買入
基地 要相談

オリンピック 近日再入荷
世界遺産 特売

但 個人情報 非売品


こうしてやってみると、頭の体操にはぴったりでありまして、谷川俊太郎さんのセンスがすごいということがよく分かるのであります。いかがなものでしょう。

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